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2014年4月23日

『決戦の時』遠藤周作著 織田信長は孤独なイノベーター

NHK大河ドラマ『黒田官兵衛』が気に入って、頭の一部は戦国時代になっています。
そのうち、人に頼まれたら「承知、つかまつった。」と言ってしまいそうです。



ぼくの場合、マイブームは【読書】に影響してきます。
もともと歴史小説は好きなのですが、いまは戦国時代に専念してます(笑)。

遠藤周作著『決戦の時』

本作の主人公は、織田信長。
父、織田信秀の死から始まり、
  • 尾張を統治するまでの親族間での血みどろの戦い
  • 情報を駆使して戦った【桶狭間の戦い】
  • 義弟、浅井長政の裏切りと、滅亡まで
という、大きく3つの構成に分かれます。
読み応えがあるのは、やはり【桶狭間の戦い】です。

今川義元の上洛を数年後に予想し、戦える状況を作ろうと奔走します。
しかし、親族や家臣の裏切りで、周囲を信じなくなっていく姿は実に孤独です。

藤吉郎こと、のちの豊臣秀吉も登場し、少しずつ出世します。
しかし、あくまで使える駒として扱われますし、秀吉も心を許しているわけではありません。

妹のお市を嫁がせた、義理の弟、浅井長政も信長を裏切ります。
浅井側の視点からすると、旧恩ある朝倉を信長が滅ぼそうとしたからなんですが。

孤独を受けいれた故に、周囲を慮らず、従来の枠組みを壊せました。
間違いなく、日本屈指のイノベーターのひとりです。

女の世界と男の世界

織田信長の天下布武までの道のりを描きつつも、本作には女性が数多く登場します。
  • 信長が唯一愛した女性、吉乃
  • 信長の正室、濃姫(美濃の斎藤道三の娘)
  • 信長の母
  • 信長の妹、お市(浅井長政、柴田勝家と結婚)
いずれも悲劇的な人生を送ります。

特に、お市は、最初の夫 浅井長政が自害したあと、息子の万福丸を殺されます。
お市の怒りに、信長が答えます。
お市。よう聴け。この戦の世界には女の世界と男の世界とがある。女の世界をもって男の世界を計ってはならぬぞ。男の世界では、戦わねば身が滅ぶ。戦とは容赦なきものよ、相手を倒しその命を奪わねば、おのれが殺される。
信長は世界観を提示しますが、当然、お市は理解できません。
兄妹は断絶します。

この世界観の違いは、400年以上たったいまでも、カタチを変えて残っているような、いないような…。

『武功夜話』

この本の面白さのひとつは、『武功夜話』という歴史資料を参照している点です。
豊臣秀吉に仕えた、前野家の子孫が保存していた文書をまとめたものです。

武功夜話 - Wikipedia

ここで描かれている織田信長の人物像を掘り下げて、本作は描かれています。

ところが、この資料が偽物という意見もあるようで…。
歴史小説を書くというのは大変なことです。

さて、次はどの戦国武将の本を読もうかな。

2012年11月18日

『海賊と呼ばれた男』 百田尚樹著

百田尚樹著『海賊と呼ばれた男』(上・下)を読み終えました。
今年呼んだ本のなかで、一、ニを争う傑作です。

還暦で終戦を迎える
主人公、国岡鐡造(くのおか てつぞう)は、石油販売会社の「国岡商店」の創業者。
敗戦の混乱のなか、「馘首(かくしゅ)はならん!」と誰も解雇しません。
「わが社には、何よりも素晴らしい財産が残っている。一千名にものぼる店員たちだ。彼らは国岡商店の最高の資材であり財産である。」
「店員は家族と同然である。社歴の浅い深いは関係ない。君たちは家が苦しくなったら、幼い家族を切り捨てるのか」
戦後、石油は統制下にあり、本来の石油販売の仕事はありません。
存続のため、ラジオ修理、旧海軍のタンクに残った残油の回収など、なんでも手がけていきます。
その姿をあざける者もいれば、逆に信頼を深めて行く者もいます。
内(社員)と外(理解者)との信頼関係が国岡商店を支えていきます。

その後、石油エネルギーを巡る統制や外資との攻防が続きます。
石油タンカーの製造、イランからの原油購入「日章丸事件」、製油所の建造…。

日本の復興のなか、国家の視点、消費者の視点をもって、生き抜いた経営者と社員、協力者達の生き様は、とてつもない勇気を与えてくれると思います。

なお、国岡商店は、現在の出光興産をモデルとしています。
小説の主人公、国岡鐡造は、同社の創業者、出光佐三氏であり、ホームページで手厚く紹介されていますので、おすすめです。

人間尊重の百年|出光興産 - IDEMITSU
出光興産 - Wikipedia

5つの社是(国岡商店)
社員は家族
非上場
出勤簿は不要
定年制度は不要
労働組合は不要

「ただ、選手を信じる。」
NHKの『アスリートの魂』で、日本ハムの栗山英樹監督が
「ただ、選手を信じる。」と言っていたので確信しました。
時代が変わっても、信頼の価値は不変です。

「ただ、選手を信じる 日本ハム監督 栗山英樹」

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