今年呼んだ本のなかで、一、ニを争う傑作です。
還暦で終戦を迎える
主人公、国岡鐡造(くのおか てつぞう)は、石油販売会社の「国岡商店」の創業者。
敗戦の混乱のなか、「馘首(かくしゅ)はならん!」と誰も解雇しません。
「わが社には、何よりも素晴らしい財産が残っている。一千名にものぼる店員たちだ。彼らは国岡商店の最高の資材であり財産である。」
「店員は家族と同然である。社歴の浅い深いは関係ない。君たちは家が苦しくなったら、幼い家族を切り捨てるのか」戦後、石油は統制下にあり、本来の石油販売の仕事はありません。
存続のため、ラジオ修理、旧海軍のタンクに残った残油の回収など、なんでも手がけていきます。
その姿をあざける者もいれば、逆に信頼を深めて行く者もいます。
内(社員)と外(理解者)との信頼関係が国岡商店を支えていきます。
その後、石油エネルギーを巡る統制や外資との攻防が続きます。
石油タンカーの製造、イランからの原油購入「日章丸事件」、製油所の建造…。
日本の復興のなか、国家の視点、消費者の視点をもって、生き抜いた経営者と社員、協力者達の生き様は、とてつもない勇気を与えてくれると思います。
なお、国岡商店は、現在の出光興産をモデルとしています。
小説の主人公、国岡鐡造は、同社の創業者、出光佐三氏であり、ホームページで手厚く紹介されていますので、おすすめです。
人間尊重の百年|出光興産 - IDEMITSU
出光興産 - Wikipedia
5つの社是(国岡商店)
社員は家族
非上場
出勤簿は不要
定年制度は不要
労働組合は不要
「ただ、選手を信じる。」
NHKの『アスリートの魂』で、日本ハムの栗山英樹監督が
「ただ、選手を信じる。」と言っていたので確信しました。
時代が変わっても、信頼の価値は不変です。
「ただ、選手を信じる 日本ハム監督 栗山英樹」
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