2015年1月19日

ベイマックスの秀逸な設計思想から考えたこと

米ディズニーの映画『ベイマックス』が話題になっている。
  • 宣伝で作っているイメージと、映画そのもののストーリーが全然違う。
  • ベイマックスが日本で作れなかったのはなぜか?
  • ベイマックスの顔は、実は日本のあるものからヒントを得ている。
などなど。これだけ反響があれば、映画のプロモーションとしては大成功だろう。

わたしは「設計思想コンセプト」の秀逸さに感心した。




ベイマックスはケアロボットという位置づけだ。
わたしは短絡的に、治療や介護に関連するロボットを連想した。
お医者さんの隣に立っていて「このひとはインフルエンザA型です。」とか、「このひとは仮病です!」とか、ビジビジ見抜いてくれるようなロボットだ。
でも、ベイマックスは全然ちがった。

まず、痛みには2つの種類がある。
主人公が「痛い!」っと声をあげると、ベイマックスは心配そうに(多分)声をかける。
「それは心の痛みですか?体の痛みですか?」と。
ベイマックスは、痛みを感じたひとを癒す(ケア)ためのロボットなのだ。

ベイマックスはそばにいることで癒す
ロボットらしく、センサーで健康状態を察知してアドバイスをする。
でも、本質的な癒しは、【痛みを感じているひとのそばにいる】ことで行われる。
薬を出すわけでもなく、病院に連れて行くわけでもない。
ただ、主人公の側にいる。究極の癒しなのではなかろうか。

ケアの終わりは痛みの当事者が決める
ベイマックスは、主人公が「もう大丈夫」と言うまで離れない。
ケア(治療)の終わりを、ベイマックスが判断することはない。

痛みとは何なのか?どう癒すものなのか?
主人公の兄、タダシが苦心の上にたどり着いたであろうコンセプトは、実にすばらしい。

ベイマックスの設計思想コンセプトをまとめると…
  • 提供価値:痛みを感じているひとを癒す
  • 痛みとは?:心の痛みと身体の痛み
  • どうやって癒す?:痛みを感じているひとのそばにいる。
  • 癒しの終わりは?:痛みの当事者が、大丈夫というまで。
ということになる。

さて、自分たちの事業はどうだろうか?
ベイマックスを参考に、自分の事業を考えてみると面白い。
  • 事業の役目は?
  • その事業とは?
  • どうやって価値を提供するか?
  • 価値の提供はいつまで?
など、考えてみると、思っている事業の範囲を広げられたり、事業の深堀りが浅いことに気づいたりするのではなかろうか。
ありがとう、ベイマックス!ありがとう、タダシ!

ちょっと違うベイマックスを空想すると…
提供価値:痛みを感じているひとを癒す
痛みとは?:切り傷、すり傷
どうやって癒す?消毒液を吹きかけ、絆創膏を傷口に貼る
癒しの終わりは?かさぶたができたら、絆創膏を傷口からはがす

高速で絆創膏を貼ったり、はがしたりする絆創膏ロボットができてしまう(笑)。

参考
ベイマックス公式サイト
アメコミファンから非難を浴びた「ベイマックス」――ほとんど詐欺!? 映画宣伝が炎上するワケ | 日刊SPA!」
『ベイマックスが日本で作れなかったのは何故か?』 - Togetterまとめ
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