2014年3月2日

「遠藤周作『侍』展 人生の同伴者に出会うとき」鑑賞記

町田市市民文学館ことばらんどで開催中の
「遠藤周作『侍』展 人生の同伴者に出会うとき」
を鑑賞してきました。

2010年の12月に、NHKで放送された番組
『こだわり人物伝 遠藤周作〜祈りとユーモアの作家』に強い印象を受けて以来、
遠藤周作の著作を読むようになりました。
なかでも、歴史上の人物を描いた作品が好きで、『侍』もそのひとつです。

『侍』とは

遠藤周作著『侍』は、伊達政宗の命によってヨーロッパに派遣された、
支倉常長をモデルにして描かれた長編歴史小説です。

今回の展示は、この慶長遣欧使節団渡欧400年を記念して開催されたものです。



航海技術の低い時代に、ヨーロッパまでの往復がどれだけ無謀か。
チョンマゲを結った和装の日本人が、ヨーロッパのひとびとにどういう印象を与えたのか。
いろいろな興味をかき立てられる作品です。

『侍』展

二階に上がると、大きなポスターが迎えてくれました。
※写真撮影は禁止のため、ここまで。




展示は、遠藤周作の生い立ちから始まり、生涯を通しての創作活動を紹介しています
なかでも、大きく取り上げられているのが『侍』です。

再三の書き直しが入った直筆原稿を、章ごとに配置してあるので、
創作過程をなぞるように体験できます。

サブタイトルにある【同伴者】とは

この同伴者の存在に考えこんでいたとき、
受付でもらった展覧会ガイドを思い出しました。



この観覧ガイドでは、
  • 飼っていた満州犬のクロ
  • 作品の中に登場する他人に寄り添う人物
が紹介されています。

そして、『侍』展のパンフレットには、
今井真理さんによって「同伴者イエス」という言葉も書かれています。

同伴者という言葉を、繰り返しかみしめながら展覧会を鑑賞しました。


展示の一角には、遠藤周作の別のペンネーム?とでも呼ぶのでしょうか、
狐狸庵先生の名前で書かれたユーモアたっぷりの作品群も紹介されていました。

歴史小説を通して日本人を掘り下げる一面、
ユーモアたっぷりに日本人をおちょくる一面、
この振り幅の大きさもまた遠藤周作作品の魅力です。

展示会の詳細は下記をどうぞ。

町田市ホームページ
2014年1月18日(土曜日)から3月23日(日曜日)まで開催、遠藤周作『侍』展―“人生の同伴者”に出会うとき

0 件のコメント: