2013年8月4日

カンヌライオンズ2013報告会で広告ってなんだ?@恵比寿(2013年8月2日)後編

さて、カンヌライオンズという広告の賞の報告会に参加した話の続きです。
 (未読のかたは「イノベーションの南: カンヌライオンズ2013報告会でインドに再会@恵比寿(2013年8月2日)前編」からどうぞ)

カンヌライオンズという世界的な賞なので、受賞した広告ってどれもそれなりに、おお!と思うわけです。特に、クリエイティブの発想やアイデアには驚くものが多いです。

一方、クリエイティブの話とは、別の疑問が浮かびます。
  • 広告はどこからどこまでなのか。
  • 広告主は広告賞とどう関わるのか。
前者はここ数年、広告に関わるひとが続けている議論です。

広告の範囲

もうわからなくなっています。
例えば、AIDMAとかAISASとか、購買に至るプロセスをみても、もう従来の広告だけでは解決できないでしょう。従来の広告が、4マス+Web広告という定義だとした場合の話です。
広告を含むありとあらうゆることを一緒に考えるパートナーが求められています。製品の企画から開発、製造も含むかもしれません。研究だって、広報だって。
実際は、リサーチ会社やPR会社など、機能で分解されて業界に分かれてますけど。
報告会でも「広告主が対価を支払うものが広告だ」というシンプルな指摘がありました。

広告会社は広告を含む事業領域全体をカバーするパートナーになれるかどうか。もしくは、クリエイティブブティクやアイデア創出など、ある分野に特化した組織になるか、分岐点なのかもしれません。
近ごろ、マーケティング領域のソリューションを提供し始めている、I社やA社あたりが前者のポジションを狙っているのかもしれません…。

さて、そうなると広告宣伝費ってどうなるんだろう。宣伝部といった組織構造はどうなるんだろう。広告主という名前自体が限界…。深そうな話になるので、このテーマはこの辺で(笑)。

広告主と広告賞

自社の課題解決につながる広告であれば、結果論として賞がついてくるのは構わないのではないでしょうか。
でも、あらかじめ賞を狙うような広告を作ることの是非はわかりません。狙ったことないので(笑)。

ぼくとカンヌライオンズの関わりは、一度かすったぐらいです。
担当した広告がファイナルリスト(という言葉でいいのかわかりませんが)に選ばれ、もしかしたらブロンズ?シルバー?というところまでいきました。
でも、カンヌライオンズでは特に受賞せず、広告会社のなかでちょっと話題になったぐらいで。
しばらくして、日本国内の広告賞をいただけました。そのときは、関わってくれた関係者の評価につながるなら、と喜びました。
そもそも、その広告には、想定していた課題を解決する効果がありましたから。

でも、この記事を書いている最中に、ハッとしました。。
広告が想定していた課題をどう解決したか、もっと広告会社と共有すればよかった…。
なぜ広告の賞が騒がれるんでしょうか?広告主の事業にどう貢献できたか、課題を解決できたかどうか、というポイントで評価されるしくみはどれくらいあるのでしょうか。

いきなり話が変わります。
先日、一緒に仕事をしたことのある広告会社のかたが転職するということで、転職先の会社からの電話インタビューを受けました。クリエイティブ職のかただったので、てっきりクリエイティブの話になると思ってました。
でも、「彼の仕事は貴社のビジネスに貢献できたか?どんな成果につながったか?」という質問でした。

ここがポイントかな、と。
そんなこと言ったって事業への貢献度なんて開示されない。クリエイティブの力を否定するのか…。いろんな指摘がでてきそうなので、このテーマもこの辺で(笑)。

「作品」か「広告」か

なお、前回と今回の記事を通して、「作品」という言葉は使っていません。定義自体を再考する記事を書きつつ、「広告」という言葉を使ってます。
作っているクリエイターが「作品」と思うのは自由だとしても、広告主にとって「作品」ではないです。課題を解決するためにプロフェッショナルに依頼した成果物です。

どのテーマも深すぎて掘り下げきれませんでしたが、いったんこの辺で切り上げます。

さて、すっかり、カンヌライオンズの話から脱線しました…。ほかにもカンヌライオンズの報告会などがあれば参加して、思考を広げたいと思います。

報告会の情報があれば、ぜひ教えてください。
本当のカンヌライオンズを教えてやる!というかたも歓迎です。
ぼくのtwitterアカウント(@passionhack)へご連絡いただけるとありがたいです。
では、後編はここまで。

※このブログでの発言は、所属する組織・団体とは関係なく、あくまで個人の見解です。

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